1首都圏の虎 ★2023/03/30(木) 17:37:41.96ID:/M16yCT39⋮
日本の出生数が80万人を割り、予想をはるかに上回るペースで人口減少が進んでいる。一方、コロナ禍で停滞していた人の移動が活発化し、首都圏への人口集中が再び強まっている。この2つの出来事は互いにリンクしており、日本社会の姿を大きく変えようとしている。

「異次元の人口減少社会」へ

 厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の出生数は前年比で5.1%減の79万9728人となり、比較可能な1899年以降、初めて80万人を割った。これは政府推計より11年も早いタイミングである。日本の人口が今後、急激に減少することは以前から予想されていたことではあったが、そのペースがさらに加速している。日本は従来の常識が通用しない、まさに異次元の人口減少社会に突入したと見てよいだろう。

 一方、総務省が発表した2022年の人口移動報告によると、東京都の転入超過(転入者が転出者を上回る状態)は3万8023人となり3年ぶりの増加となった。コロナ禍で停滞したかに見えた東京一極集中の流れが再び強まったと判断できる。

 出生数が80万人を割り、急速に人口が減っているという話と、東京への転入者が増えているという話はバラバラの出来事に見えるがそうではない。両者には共通要因が存在しており、人口減少と都市部への人口集中はセットになっている。

 まずは出生数について見てみよう。出生数が低下して人口が減ると、生産年齢人口の割合が低下して、製品やサービスの供給力が減少する。これによって経済成長が阻害されるとの危機感があり、出生数を増やす必要があると多くの人が考えている。だが現実には、出生数は増えるどころか減る一方であり、社会は多くの国民の希望とは逆方向に動いている。

 では、なぜこのような矛盾した事態が生じているのだろうか。最大の理由は、出生数が低下することによって発生する経済的負担についてほとんど考慮されていないからである。