■ネットで店名さらされ売り上げ激減

濃厚接触者となった伊藤さんがこう憤る。

「幸い検査は全員陰性でしたが、保健所から連絡があったのは翌16日の午後4時半ごろです。
それまでに接客したお客さんをはじめ、接触した人すべてに謝罪して回りました。

人口6万人の田舎ですから、警察官の感染が公表された時点で店の名前がネット上に書き込まれました。
自宅待機中は夜中の3時くらいに深々と帽子をかぶり、マスクをして犯罪者のようにコソコソと必要なものだけ買い物に行ってました」

4人は健康観察のため、2週間、他人との接触を避け、店は17日から28日まで臨時休業。
4月から6月も休業要請に従い、約50日間休んでおり、ようやく客足が戻ってきたところだったが、売り上げは激減した。
それでも9人いる女性従業員の給与は全額支払うという。

「全く心当たりがなかったのであれば仕方ありませんが、感染の可能性があると分かっていながら、
保健所の聞き取り調査に対し、『違います』と否定して店に来たことが許せないのです。もらい事故みたいなものです。青森県警を訴えます」(伊藤さん)

警察官は15日夜、青森市の自宅に戻り、体調不良と風俗店を利用したことを電話で上司に報告。
自ら119番し、緊急搬送された。青森県警は翌日から接触した職員を自宅待機させたが、
青森市保健所には警察官の感染を連絡しなかった。保健所の担当者がこう言う。

「緊急搬送されていたので、体調などを考慮して話ができる段階で病院に行動歴を聞いてもらいました。
そのため濃厚接触者を特定するのに時間を要しました。県警から連絡はありませんでした」

警察官は「女性との接触の経緯から、都合が悪くて言い出せなかった」と釈明したが、大変な事態を招いた。

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