●アメリカン・ドリームの映画だったら「I love you だから、お父さんお前を助けるよ」となるところでしょうが、イギリス物は一筋縄でいかないものがありまして、ビリーのお父さんは反対して反対して反対する頑固おやじっぷりです。優しい顔なんて見せません。

そこが最高なんですよ! 簡単に「I love you」と言わないのが良いです。ウィルキンソン先生についても、演出の先生から「とにかくポーカー・フェイスで、ビリーに対して愛情とか子ども扱いはまったくしないでくれ」と言われました。
ビリーから手紙を取り上げて読む場面なんて「うゎぁ、こんな他人の家庭事情に踏み込むなんて!」と衝撃を受けるドライさ。
ビリーが初めて踊る場面でも「ビリーが特別な子だと思うのは最後の最後だけで良いから、最初から才能を見出さなくて良いよ」と。ということで「まあ、踊りのラインはちょっとキレイだけど、次は来ないだろうな。男子は珍しかったから、からかっていた」くらいで役作りしてます。