意表をつかれた観客は「ワーッ!」と華やいだ歓声を上げる。「うんうん」と笑顔でうなずく柚希。始まったのは中森明菜の「TATTOO」だった。アルトの魅力がセクシーに響く。
エレガントなパンツスーツでステージを左右に動き、一人ひとりにアイコンタクトする柚希。その堂々とした姿と茶目っ気に、みんな一気に心を奪われたようだった。

「こんばんは!」と元気に挨拶し、「いまだかつてない男性の数と聞いて緊張してました」と言った柚希は、それを確かめるように「どれどれ」と会場のあちこちを眺める。本人以上に緊張していたかもしれない男性客が、思わずクスッとなった。