衣装の有村淳の1930年代を意識したアール・デコ調の
ゴージャスなドレスも美しく、
それを見事に着こなすタカラジェンヌたちが
醸し出す優雅さ、華やかさにも特段の彩りがある。
何よりもこれまでちょっとニヒルな香りを持つ個性から、
色悪に通じる役柄や、
悲劇的な作品を多く演じてきたトップスター望海風斗が、
カリカチュアされた可笑しみに溢れたコメディーを
実に楽しそうに演じているのは、
観ている側にも幸福感を振りまいてくれる大きな要素になったし、
『ファントム』からわずかにひと月半で、
休憩込み3時間超のタップダンスも満載の
ブロードウェイ・ミュージカルを
立派に完成させた雪組選抜メンバーの地力には、
ただただ頭が下がる思いがする。