ヒッピーのコミュニティの逆説って、この世の複雑さと逆説性の手本だと思う。
最初の設立者らの意向としては、人種、障がいの有無、性別、性的指向を問わないオープンでリベラルでオルタナティブな世界を小さくとも実験的につくって運用していきたかった。
ところが、そこにやってくるのも残るのも大変は富裕な白人。
建て前は「誰とでも対等につきあう」なのに、最初はともかく5年10年すると、独裁者が牛耳る、官僚化する、経済的・技術的に自立できずよそで職業訓練するために脱退者続出。
黒人、ヒスパニック、ネイティブ、女性、障がい、LGBT等、マイノリティは、ほとんど来ない。または、すぐに立ち去って残らない。
「誰でも参加できます、嫌なら立ち去っても結構」と自由と民主と開放の共同体を作ってみたら、どれだけ金持ちの観念論だったかが明らかになった。
自然や田舎、未開屋前近代に憧れて集団で移住したら、一見牧歌的な辺鄙なところほど住民の結束固く、保守的な価値観と生き方優先で、コミュニティとしての自由も個性もつぶされる。
ヒッピーのスポンサーのお友達はお金持ち。なので、次の土地へ行く。
しかし、いきなり礼儀も捨てた好奇心とファンタジーしか見ていないインバウンドが大挙して押し寄せたら地元の人はいい気分はしない。
対立して、また引っ越し。
そんなことをするうちに不便な暮らしと貧窮に耐えられず自然消滅もあれば、
生き残ろう、またはそれを利用しようとしてカルト教団化、自己開発セミナー化していくケースも。
そうなると幹部メンバー以外は奴隷労働力、性の解放とか言って、要は性的虐待、搾取をやっていたのはマハリシ・マヘッシ・ヨーギの教団。他にどこがある?