―― トットちゃんこと、黒柳さんの子どものころのことを教えてください

黒柳 もともと家の近くの小学校に通っていて、
   1年生を3か月ぐらい過ぎたころに退学になったんです。
    なんで退学になったかというと、
   『窓ぎわのトットちゃん』にも書いてありますが、
   小学校にチンドン屋さんを呼び込んだり、
   おもしろがって机のフタを(昔の学校の机は上に開いたから)
   授業中に百回ぐらい開けたり閉めたりしちゃったの。
   つばめが巣を作って、行ったり来たりしているのを見て、
   授業中に窓から身を乗り出して「何してるの」「何してるの」
   と何度もつばめに聞いたりもしたらしい。
   それで母が先生に呼び出されたんです。
   先生は「私も子どもの気持ちがわからないわけじゃないですから、
   つばめに『何してるの』と聞いてもいいけど、
   授業中に聞くことはないんじゃないですか」って、
   本当におたくのお嬢さんには困っているということを
   母に言ったそうなんです。それでその学校は辞めることになり、
   新しい学校に行くことになりました。
   でもそれがかえって良かったんです。