牧の力強さと反比例して春田の身体からは徐々に力が抜けていき体重を預けてしまう。


それでも牧は動じなかったが、背中に回された指は微かに震えている。


それが寒さのせいではない事くらい春田にも判っていた。


「春田さん…家事も出来ないし、仕事はミスるし、女にもモテないし、お菓子は食べ零すし、いい歳してゲームなんか欲しがる割には俺には先輩ぶるし……洗濯物のティッシュ取るのだってぶっちゃけすげー大変なんすよ」


「………俺、酷いな」


どれも本当の事だけに否定出来ない。