▼頭の中が正人一色になり、仕事に身が入らない鈴愛に対して。

「鈴愛、恋をしろ。
私がなぜ、おまえを弟子にしたか、分かるか?
楡野は他の2人(ユーコ、ボクテ)とは違う。
山を駆け回っていた。そのリアルが重要だ。
小宮やボクテとは違うんだ。アイツらの漫画の知識は深い。
なぜだ?漫画ばかり描いたり、読んだりしていたからだ。
それではダメなんだ。
オレが恋をしろと言うのは、そういうことだ。
リアルを拾うんだ。想像は負ける。
好きなやつがいたら、ガンガン会いに行け。
仕事なんかいつでもできる。ベタなんかいつでも塗れる。
空想の世界で生きているヤツは弱いんだ。
心を動かされることから逃げるな。
そこに真実がある」(第51話、5月30日)

▼「先生、自分の心を見つめ続けることが創作の原点なら、
これは…苦しい仕事ではありませんか?」と聞く鈴愛に対して。

「見つめている時はな。
だが、それが美しい物語に昇華した時に、
そして多くの読者が喜んでくれた時に、
君のその心も癒やされるのだ」
(第59話、6月8日)