危険な司令塔一本化

D 「都」構想がいかに「異質」で「危険」なものかが、この間のテレビ討論でも浮かび上がったね。

C 話題になったのが、松井氏の「権力」論だ。松井氏はテレビ討論で「大阪において知事、
(大阪)市長はツートップ。両方ともすごい権力者なんです。われわれは、これを1人でいいと
思っている」と言った。これに、小西氏は「非常に重大な発言だ。知事、市長を権力の座というのは。
住民の代表なんですよ」と問題視した。

A 「都」構想の狙いを表している。大阪市を廃止・解体して権限も財源も「都(府)」に吸い上げて
「1人の指揮官(知事)」の下でやりたい放題のことをやる体制をつくるのが「都」構想だからね。
「権力者は1人でいい」という発想は、かつて「今の日本の政治に一番必要なものは独裁」と語った
橋下徹・前維新代表の発想に通じる。

B 吉村氏も「『大阪都』で司令塔を一本化」した方がうまくいくという。では、たとえばカジノを
中核とする統合型リゾート(IR)はどうなるか。小西氏は「IRを例に取ると、(大阪市を廃止・分割してつくる)
特別区が反対しても、最後は“一元化された司令塔が決めますよ”(ということになる)。
基礎自治体と広域自治体・大阪府と意見が違っても“俺らが全部決める”というのが司令塔の一元化論。
市町村の意見を無視する極めて危険な考え方だ」とぴしゃり。的を射ている。