中国が関係しているという話

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1907/05/news017_3.html

もう1つ見逃されている要因に、中国市場の役割があるはずだ。「また中国マネーか?」と思う人もいそうだが、ここでは製作への投資でなく、消費者マーケットの話である。

中国、日本コンテンツの「最大市場」に

 実は日本コンテンツの実写化で、中国はいま巨額の収入を見込める最大の市場なのである。
19年公開の『アリータ: バトル・エンジェル』を見てみよう。製作費1億7000万ドルとされる中で、北米興収は8500万ドル。
製作費が巨額だけにこれも期待外れと思いきや、世界興収では4億ドルを超えた。大ヒットである。その秘密は中国にある。中国興収は北米をはるかに上回る1億3000万ドルなのだ。

 5月に公開されたばかりの『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』も同様だ。こちらも北米興行は1億ドルで物足らないとされたが、中国興行は1億3000万ドルを越える。

 長年、日本のアニメ・マンガやそのキャラクターに馴染んできた中国は、米国以上に日本コンテンツに親近感がある。
日本コンテンツを原作にした作品は大ヒットにつながりやすい。もちろん日本こそが日本産コンテンツにとって一番なじみの市場だが、その映画マーケットは世界の5%にも達しない。

 中国の映画市場は18年には北米の113億ドルに迫る約89億ドルと、かなり大きい。
ハリウッド映画はこれまで欧米を中心にマーケットを考えてきたが、いまは中国を中心としたアジア市場も計算に入れる必要がある。
その時、日本産の原作は「勝てる」作品になるというわけだ。中国で大ヒットした『君の名は。』の実写映画化がいち早く決まったのも記憶に新しいところだ。