週刊文春 1963年7月22日号

わき目もふらずに粘土をこねて人形づくりに精を出す人。
ためつすがめつして背景を描いている人。
犬の表情が思い通りに描けなくて、顔をしかめている人。
80人近くの人々が、各々の机に向って、何やら描いたり、色を塗ったりしている。
楽しそうな顔、困惑している顔、描いている動物と同じ表情をしている顔。
小学生の「図画工作の時間」を、そのまま大人に置きかえたと考えればまちがいない。
奥山玲子さんの涼し気な顔もこの中にある。
昭和10年生れ。7年前にできた東映動画スタジオに働く女性アニメーターの中では、
いちばんのベテランである。
美校出、というよりは、好きで飛びこんで来た人が多いというこのスタジオの中でも、
彼女のようなケースは、変り種に属する。

全文
https://bunshun.jp/articles/-/11322

絵を描き続けるアニメーターの奥山玲子さん (c)井上隆夫/文藝春秋
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自分で描いた原画のなりゆきを点検する (c)井上隆夫/文藝春秋
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動物園へスケッチにでかけることもある (c)井上隆夫/文藝春秋
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完全分業から成り立っているため、時折全員集まってにぎやかな制作連絡会議を開く (c)井上隆夫/文藝春秋
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奥山さんはファンタジックで美しい景色やかわいらしい動物を描くのが得意だった (c)井上隆夫/文藝春秋
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