吉田D
『エール』の物語は
戦前・戦中・戦後にまたがりますが、
時代の変遷も音楽を通じて描いていく予定です。

唱歌から歌謡曲を経て、軍歌があって、
ミュージカルが出てくる……といったように、
時代によって人々の聴く音楽が変わり、
裕一への作曲依頼も変わってきます。
音楽は時代を映すので、
音楽の視点から時代を描けるはずだと考えました。

戦争に関しても、音楽の視点から描いていきます。
「エール」は朝の番組ですが、
戦時中のエピソードは短く濁さないつもりです。
古関さんの自伝を読んでみても、
戦中のお話が極端に長いんですよね。
古関さんは、従軍作曲家として軍歌を多く手がけ、
インパールなど戦地の慰問もされています。
作曲家として戦意高揚を担ったことは、
本当によかったのか――。
戦後に『長崎の鐘』を作る姿を描くうえでも、
戦争描写からは逃げられないと思っています。