今回のテーマは身体論だね
人間のからだは精神とどういう関係を持つものか。
文科省的な身体論の理解は、キリスト教的な伝統の中にある西洋哲学において、はじめ物心二元論が唱えられる。
デカルトが説いたように、理性を身体(自然)から切り離すことで近代哲学(思考による世界の理解)の幕が開いた。
だがデカルトも分かっていた通り、ココロとカラダは切り離すことはできない(心身合一問題)。
メルロー=ポンティは西洋哲学に伝統的な心身二元論を乗り越えるために
知覚の主体としての身体を、主体と客体の両義性を持つ存在であると捉えた。
「知覚」のレベルで人間の身体感覚、そのリアリティを掘り下げることで、人間の世界認識のあり方を探り、
新たな存在論、現象学を打ち立てようとしたが、目的半ばでメルロー=ポンティは亡くなった。
心身二元論、ココロとカラダの関係の問題はいまだ解決されていない。