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2021/11/04(木) 21:51:22.15ID:LYWPBsAyドラマ中で、外科医が看護師に糸を要求することがあります。
この時、数字を使って、
「4-0(ヨンゼロ)」「5-0(ゴーゼロ)」
のように、太さを指定するのが一般的です。
数字が大きい方が細い糸で、7-0や8-0になると、髪の毛より細くなります。
さらに、糸の種類を数字の後につけて、
「4-0シルク(絹糸)」「5-0ナイロン」
のように細かく指定します。
手術で使う糸の種類は膨大にあります。
結ぶ組織の種類や、柔らかさなどの性質によって、細かく使い分ける必要があるためです。
手術室看護師は、これらの糸の名前を一つ一つ覚え、外科医から要求された通りに手渡します。
ちなみに10月24日放送の第2回で、大門が肝臓手術で使用した「4-0吸収糸」は、時間が経つと体内で溶ける糸のことです。
実際には、吸収糸の中にも多数の商品があり、この中でも細かく使い分けています。
ドラマでは、いつも道具の受け渡しはスムーズです。
しかし、考えてもみてください。
看護師は、台の上に載った膨大な種類の道具の中から、必要なものを次々外科医に手渡さなければなりません。
指示があってから目的の道具を探し始めていると、手術はスムーズに進みません。
かるた大会で、読み上げられた上の句を聞いて初めて下の句の札を探し始めるようなものです。
そこで看護師は、台の上の道具の配置をある程度頭に入れた上で、手術中に外科医の動きを見て手術の流れを把握し、
「次にどんな道具が要求されるか」
を予想しています。
要求される道具の候補を頭に思い浮かべ、外科医より一歩先に動き始めているのです。
そのおかげで、外科医が道具の名前を発声して手を出した瞬間に、手のひらの上に目的の道具がスッと載るわけです。
ドラマでは外科医ばかりが目立ちますが、実は隣で看護師が頭をフル回転させているからこそ、こうしたスムーズさが実現しているのですね。
ドクターXについては、以下の記事でも解説しています。
独断で手術し「私、失敗しないので」は不可能? 現実世界で待ち受ける関門の数々 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamototakehito/20191125-00152179