>>109

これほど極端な思い込みではないが、何故安子はるいに謝罪しないのだ?とイキリ立ったおばさまはかなりいた
しかし、贖罪の半世紀を生きた安子(「娘の気持ちを分かってはおりませんでした」と激白
〜ここでもるい編「善女とパン」が生きた)どころか、るいもまた「皆間違うのです」「謝らなければならないのは私の方」
との心境に到達していた
算太の悔恨~「安子はなーーんも悪くねえ」や雪衣や健一の証言(安子の人間性保証)を受けて、
真相は不明でもお母さんは駆け落ちして私を捨てたのではない、との確信がるいに生じた
こうして自らも贖罪意識をもったるいにとっては、ただひたすら安子が現れさえすれば和解はなった
(サニーサイド絶唱の意味ー母よ来たれ!)
双方贖罪意識をもった母子の間では、真相抜きで両者は分かち合えたのであり、謝罪はもはや不要である
抱擁後、おでこの傷に触ろうとする安子の手をるいは優しく戻し、「I Love You 」を発した
るいがロバートととの「密会」現場を目撃したことから生じた双方の誤解は既に単なる確認対象となり、
クリスマスの夜空に溶けていけば足りた
我々が目に焼きつけたあの場面を、安子とるいが再度語り合う野暮を廃し、ナレで済ましたセンスがまた最高なのである