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安子が再び日本の土を踏むこじつけでないルートとはなんだ?
るいに捨てられた(と絶望して海を渡り贖罪の日々を送ってきた)安子に、「海を引き返しるいを求めて三千里」の
ルートは極限られている
もっとも現実味のある道が仕事上での来日であり、これに付随したるい探しに他ならない
いかに逡巡した安子(最後の偕行社前!)でも、来日は日米合作時代劇制作に伴う義務となるからだ※

るいはゆっくりと時間をかけて自ら母へのわだかまりを解消していき、最終局面ではおでこの傷を隠そうともせず、
一方でるいへの贖罪の念を抱き続けてきた安子の登場を待つばかりとなった
(真相が明らかになったから和解したのではない〜人は皆間違う、雪衣さんもお母さんも私も。
おでこの傷に触ろうとする安子の手をるいは戻し抱擁した)
しかし、るい自身に安子を牽引する力はなく、そのミッションを担ったのがひなただ
時代劇制作現場に身を置き、英語を学ぶことで日米合作時代劇へ深くコミットするようになったひなたが、
アメリカハリウッド側に籍を置き、このハイブリッド映画のためにキャスティングディレクターとして来日した
安子と出会うのは、いわば運命の糸に導かれた必然であった
三世代を結合させる(孫による母子和解)驚くべきリアリティを、ひなた編の設定は包含していたのである
映画村の舞台の上に、英語、あんこ、時代劇、ジャズ、野球、ラジオといった軸がすべて連結されて、
「ひなたが手繰り寄せる安子とるいの再会と和解」は成就した

取材した奈良橋陽子さんというキャスティングディレクターは実在しないのか
ABCも知らずにアメリカへ渡り、住込み書生をしながら苦学してワシントン州立大学を卒業(演劇専攻)
その後ハリウッド映画に出演し、帰国しなければそのままハリウッドでキャリア形成したかもしれない
平川という存在は何だったのか
アメリカで築いた安子のキャリアは、実在した、実在するこの2人を巧みに組み合わせたものであり、
絵空事ではまったくない