台湾に輸出のこんにゃく粉から微量の放射性物質 地元メディア報道
2022/9/16 09:51(最終更新 9/16 12:29)
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/019000c

台湾に輸出された群馬県産こんにゃく粉から微量の放射性物質が検出された。台湾メディアが一斉に報じた。

台湾行政院衛生福利部(衛生省)食品薬物管理署が14日夜に明らかにしたという。

台湾は2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、群馬など5県産食品の輸入を停止したが、2月に解除したばかりだった。

検出量は台湾の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を大幅に下回るが、台湾住民は食品の安全に敏感で、今後、大きな問題に発展する可能性もある。

台湾の中央通信によると、検出された放射性物質は、セシウム137が1キロ当たり4・8ベクレル、
セシウム134とセシウム137の合計も同4・8ベクレルだった。

同署は立法院(国会)での決議にのっとって、輸入業者に食品の積み戻しや破棄を勧告した。

台湾では、18年に禁輸継続の賛否を問う住民投票が行われ、賛成多数で禁輸が続いた経緯もある。
だが、台湾行政院(内閣)は22年2月、野生鳥獣肉やきのこ類などの一部を除き、11年ぶりに輸入停止措置を撤廃した。

輸入再開を巡り、台湾では最大野党の国民党が反対するなど与野党間で激しい対立が生じた。
11月には台湾の統一地方選が予定されており、5県産食品の輸入が選挙の争点に浮上する可能性がある。

一方、県は11月に台湾中部の台中市で県産農産物をPRするフェアを計画している。
県ぐんまブランド推進課は「放射性物質検査をしっかりと行った農産品を出品し、県産食品が安全であることをPRしたい」としている。