【経済2】 全日空青森便11年ぶり再開「ビジネス交流に弾み」ミッション団、大阪へ出発
2014年07月02日(水) 7頁 経済2

全日本空輸が青森空港定期便に約11年ぶりに再就航し、
青森─大阪(伊丹)線、青森─札幌(新千歳)線の運航を始めた1日、
三村申吾知事らでつくるミッション団が大阪へ出発した。
両路線が日本航空との2社乗り入れになったのを契機に、本県と関西圏との交流を深めるのが目的。
県内の経済・観光関係者は全日空の路線開設を受け、「便数が増え、ビジネス交流に弾みがつく」
「新たな客層を本県に呼び込める」と今後の展開に期待を寄せた。

ミッション団メンバーの若井敬一郎・青森商工会議所会頭は、全日空が午前8時5分青森発大阪行き、
午後7時10分大阪発青森行きの便を設定した点に着目。
「これまでほとんど無理だった大阪への日帰り出張が可能になる」と指摘し、
「商品販売でもフェース・トゥー・フェースの場面が増えると思う。
関西方面の消費状況が把握しやすくなり、きめ細やかなビジネスができる」と商機拡大に期待を込めた。

県観光連盟の佐藤淑子専務理事は「マイルをためている会員など全日空のお得意さまを新たに本県に呼び込める。
大阪線では西日本全体からの誘客、札幌線では北海道新幹線と絡めた本県の魅力発信が課題になる」との見方を示した。

一方、全日空によると、7月の予約率(6月27日時点)は青森─大阪線が38%、青森─札幌線が28%。
搭乗率目標を75%と説明する同社の志岐隆史取締役執行役員は、
1日に開かれた青森空港での就航セレモニーで「もう決して(青森発着定期便を)やめることはない」と
運航継続を“宣言”し、強気の姿勢を示した。
全日空にとっては、両路線の知名度アップが当面の課題。同社広報担当者は
「まずは全日空のダイヤが便利だということを、マーケットに浸透させるように努力したい」と話している。