「わずか一年で…」静岡空港まさかの誤算 中国路線の相次ぐ撤退で苦境に

東京と大阪を結ぶゴールデンルートに位置し、中国路線の就航で数少ない地方
空港の成功例として注目された静岡空港が、10月末の冬ダイヤ編成を前に、
苦境に立たされている。空港経営を支えてきた中国路線のうち、9月1日から
中国東方航空の杭州線が欠航、北京首都航空も7日から済南線を運休、16日
には瀋陽線も運休になった。昨年9月末のピーク時に14路線だった中国路線
は、わずか一年で3分の1の5路線まで減少することが明らかになった。

昨年1月1日時点で上海・武漢線のみだった静岡空港の中国路線は、1月末の
天津線を皮切りに、3月に寧波線、5月に武漢線、南寧線、西安線が相次いで
就航。9月末までの8カ月間に14路線まで増えた。

ところが、9月下旬に就航した合肥線が1カ月もたたないうちに運休すると、
観光需要が減少する冬場を前にした10月末に上海線、武漢線、南寧線、長沙
線が相次いで撤退。今年になって大連線、済南線、瀋陽線が新たに就航したも
のの、いずれも9月末までに運休・欠航となり、今年の新規就航路線で10月
以降の継続就航が決まっている路線はない。

中国路線が短期間に激減したのは、中国人観光客の旺盛な消費意欲を支えてい
た中国経済が失速したことに加え、羽田空港や中部国際空港の発着枠が増加し
たことが大きい。

昨年には、爆発的に増える中国人観光客に主要空港の受け入れ態勢が追いつか
ず、発着枠が不足。発着枠の確保が容易で、中国人が好む富士山を眺望でき、
首都圏に比較的近い静岡空港は、格好の受け皿となった。

ところが、この1年で受け入れ態勢が整備された羽田空港や中部国際空港に、
中国系航空会社が相次いで就航。あおりを受けて、静岡空港を利用する中国人
向けツアーは激減し、中国路線の運休が相次ぐ結果となった。

県空港利用促進課では、中国人観光客ばかりに頼るのではなく、日本人客に静
岡空港を使ってもらう方策を模索中。同課の担当者は「中国路線を使った、日
本人が利用しやすいツアー商品をつくるよう旅行会社などに働きかける。行き
は静岡空港を使い、帰りは羽田空港を使うような提案も強化する」と話してい
る。
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「日本人客に静岡空港を使ってもらう」
…久々の新規就航でも日本国内で航空券扱っていないKN(聯航)でどうするの?

「中国路線を使った、日本人が利用しやすいツアー商品」
…浦東の乗継時間長過ぎのダイヤを改善させず放置したまま

一昨年の記事で指摘の問題点、2019年の今もそのまま当てはまる