国産ジェットに最新試験機 安全認証取得急ぐ
2020.1.7 13:01経済産業・ビジネス

三菱重工業の最終組立工場から隣接する県営名古屋空
港へ移動するスペースジェットの最新試験機=6日
夜、愛知県豊山町
 国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MR
J)を開発中の三菱航空機(愛知県豊山町)が、最新
の設計変更を反映させた試験機を完成させた。同社は
2020年半ばの初号機納入を予定している。早期に
飛行試験に投入して運航に必要な国の安全認証取得を
急ぐ。

 試験機は6日深夜、製造を担う親会社の三菱重工業
の最終組立工場(豊山町)から車両でけん引され、隣
接する県営名古屋空港内の格納庫に移動した。エンジ
ンの動作確認や地上試験などを経て名古屋空港周辺を
回る初飛行を実施。その後機体を米国に運び、現地拠
点で行っている日本の国土交通省のパイロットが乗り
込んだ安全認証試験に使用する。

 三菱航空機は17年1月に安全性向上のため5度目
の納期延期を発表。配線の設計変更を決め、最新試験
機の製造に着手していた。しかし安全確認などに手間
取り、三菱重工の泉沢清次社長は昨年6月を見込んで
いた完成が20年初頭にずれ込むとの見通しを示して
いた。

 三菱航空機の水谷久和社長は最新試験機の完成につ
いて「(米国での)飛行試験は最終フェーズに向け大
きく進捗する。認証取得に向け、全力で取り組んでい
く」とコメントした。