>>124

稚内からサハリンに渡る海上橋を建設するのは面白い発想かもしれないが、
現状のままだと、実現性は皆無、かと・・・

1.そもそも、両側の人口が極端に寡ないし
2.地震発生率の高い地域だし
3.域外勢力が利己的な理由でよろしく思わないだろうし

ただ、ロシア側のますます深刻化している中国依存と、
日本側の某域外勢力への依存と一辺倒(とその妥当性)を考えれば、
お互いにとってリスクヘッジという意味で関係改善と協力強化は最善策、という見方もあり得る

日本のネットとかメディアで、
よくロシアの何か気に入らないことがあるたびに、
経済キョーリョク止めよう、断交しようといった趣旨の言説を目にするとき、
あ、これは自分の言っていることの意味がまったく分かっていないなー、と思う

というのは、ロシアとしては、確かに自分の力だけで、
あの巨大な極東地域の高度な開拓は無理だけど、
べつに持ち物として腐ったりはしないから、
ほっといてもなにも変わらない。現状維持。

で、その現状はどういったものかというと、
よくもわるくも中国の進出がどんどん進んでいること。
ロシア国内では、確かに一定の中国警戒論があるにせよ、
背に腹は代えられぬ意味をふくめて、
自分たちで進んで経済的な影響力を増し擡頭した中国と手を結ぼうとしている

(日本のメディアで、一帯一路を過小評価どころか嘲るすら傾向があるが。大間違いだ。
予定されている効果が齎されるかどうかはべつとして、あれはあれで、
ユーラシア地域での新経済的・地政学的体制の確立のさらなる刺激と契機となろう)

日本のネット民はそれをいくら嘲笑しようとも、日本の指導層からみれば、
傍観できないことだ。ましてや笑えることをいわんや。

だって、いまの趨勢がそのままの方向でいままでの勢いで推移すれば、
日本は地政学的な意味で不利な立場にたたされる:

斯の某域外勢力主導の秩序は少なくとも変貌、若しくは退廃をしている
90年代は確かに一方的に強かったが、
いつもの時代の帝国のように内的混乱と帝国維持の外的負担のせいで徐々に崩れはじめている

(※だって、世界で何時でも!何処でも!誰よりも!軍事的に強くあらねばならない
という軍事ドクトリンはいずれ破綻に導くのは不可避だから)

で、従来、その勢力圏に属していた日本としては、いろいろ考えさせられる状態。
1.いままでの構造が退廃している
(某国の某貿易・関税協定からの離脱と自己第一主義の提唱はそれを象徴的にして如実に物語っている)
と同時に日本にとってそれに加入する”料金”も高くなりつつある
2.が、戦前のように独自の勢力圏の構築を試みる国力はない
3.が、高い主権体制を維持したまま、新たに構築されつつある秩序に加わることもできない

残された道は、構築されつつある新秩序のいずれかの勢力者と単独講和を結んで、
秩序構造の一極集中性を緩和することによって、自分の立場の安定性を確保する

日本の指導層の積極的なロシア協力姿勢は以上の思惑に立脚しているかと思われる