スタンリー・キューブリックが映画『2001年:宇宙の旅』のラストを解説する音声が見つかる:

38年の時を経て日の目をみたお宝。
1968年に公開された映画『2001年:宇宙の旅』は、名作だと言う人と非常にわかりにくく退屈だという人がいます。
私は映画学部でキューブリック監督のことを専門的に学びましたが、35歳まで退屈派、繰り返し見た上にAIが身近になった今では名作派に属しています。
なぜ複雑退屈かというと、スローペースとミニマルなBGM、点と点をセリフで結び付けないぶつ切り展開、説明不足なエンディングが原因ではないでしょうか。
特に下に貼ったエンディングの不明瞭さは各地で議論を巻き起こしました。私も授業でディスカッションした記憶があります。
でも先日、YouTubeにキューブリック監督自らが『2001年』のエンディングの意味を説明する動画がアップされ、そのアイディアが明らかになったんですね。
インタビューしたのは、UFO研究家の矢追純一氏! 1980年当時に人気だった深夜番組『11PM』のために撮影されたものですが、
企画がお蔵入りしてしまったそうです。その時の映像をUFO研究家の故ウェンデル・C・スティーブンス氏がコレクションしていたのですが、
2年前にeBayに出品され、落札者がYouTubeに映像をアップしたんですって。
前振りが長くなりましたね。ではここで動画をどうぞ。

キューブリック
「映画公開以来、これを随分と避けてきました。アイディアを口にするとなんだか馬鹿げているような気がするので。
あれは、ボーマン船長が神のような無形の純粋なエネルギーをもった知的生命体に取り込まれた、というアイディアからきています。
その知的生命体はボーマン船長を人間動物園のようなものに入れて観察していた、そして船長の全人生があの部屋を通過し、
彼は時間を超越した存在になったのです。
あの部屋はフランスの建物を不正確に再現しています。それは知的生命体の考える、人間にとっての良い環境が作られているからです。
人間が動物園を設計する時に、人間が考える自然環境を再現しようとするのと同じです。
そしてボーマン船長の命が尽きた時、彼は何かしらの超越した存在に変化して地球に戻るのです。地球に戻った後のことは想像するしかありません。」

スターチャイルドは地球に戻るんですね! 私はその部分を完全に見失っていました。
『2001年』って新たな解釈、たとえば「『2001年』は食べ物の話」という主張とかが出回る度に見直したくなるんですよね。
そしてどんどん魅力がわかるようになって、気づくと「2001年名作派」に鞍替えしてるんです。

https://www.gizmodo.jp/2018/07/stanley-kubrick-2001-a-space-odyssey.html

2001年宇宙の旅 エンディングシーン
https://www.youtube.com/watch?v=AXS8P0HksQo

キューブリック解説動画
https://www.youtube.com/watch?v=er_o82OMlNM