最近のゲイさんはアニメを見なくなってしまった
最近のゲイさんは映画館に足繁く通うようになった
これは一体全体どういう心境の変化だろうか
大学生の頃のゲイさんはそれはもうすごかった
バンダイチャンネルで配信される旧作を暇さえあれば一気見してツイッターで実況していた
特に記憶に鮮明に残っているのはガンダム種を不眠不休で全話鑑賞した時で
ゲイさんは何かの中毒者のように完全にアニメに夢中になっていたんだ
クール毎に放送されるアニメも不満を漏らしながらも何だかんだで見ていた
途中で何本か視聴を止めたりクールが終わってから録画を消化するのもさして珍しくは無かった
けれどゲイさんのメインの趣味はどうあってもアニメで結局はそこに帰結していた以前までは
ゲイさんにとって興味の薄い作品群ばかりのクールの時は旧作を見る時間に当てていた
ところが今はというかここ2年くらいはそういう積極的な網羅的な作品摂取を全然しなくなった
ゲイさんにこういう意見をぶつけると彼はこう返すに違いない
シリーズもの、それがたとえ1クールであっても時間的に消費カロリーが重く感じてしまう
だったら長くても3時間で終わる映画の方が気楽でどうしてもそっち見ちゃいますね〜、って
大学生の頃のゲイさんはしかし昔実写映画も見たらという声に対してこう返していた
実写映画って人間のキャラデザつまり容貌がクソだから見る気しない、と
ゲイさんはTVのバラエティなども同様に生の人間を見たくないからという理由で避けている
この点に関しては身も蓋もない意見だけれど同意出来なくもなかった
実際邦画では成人が学生服を着ていることが多くコスプレしてるようにしか見えず滑稽だ
いや多分ゲイさんにとっては日本人どころか欧米人ですら醜悪に映るのだろう
アニメや漫画の真っ平らで漂白された顔に慣れきっているからというよりは
根本的な人間嫌いがゲイさんの実写映画食わず嫌いの原因だったのだと今は思う
人間は嫌いだけれど人間の作り出すものには心惹かれるゲイさんにとっては二次元文化が拠り所になった
そういった内向的気質は中学時代に遭ったイジメのせいなのかと安易に邪推してしまう
ところが最近のゲイさんはそれまでなら旧作アニメを見ていた時間を映画に使っている
ゲイさんは映画の方が手軽に消費出来るからともったいぶった理由を付けていたが
本当はもうアニメに興味を持てなくなっている、またはアニメ以上に映画に心惹かれてしまっているんだ
これが真相なんだよゲイさん、自分を欺くなあんたはもうアニオタじゃない
そしてゲイさんは先日あんなに苦手だった実写映画をせっせっせと毎日見ているカラクリを明かしてくれた
https://twitter.com/geijingeijin/status/814666867570683904
「同期が映画オタだったから――」
ゲイさんはまるで付き合った男の趣味を理解するために自分もそこにハマっていく乙女のようだ
という冗談を抜きにしても、ゲイさんは心から信頼を寄せられる相手をついに見つけたことで
人間嫌いを克服して映画も見られるようになったってこれってまさに映画的な感動を呼ぶ成長じゃんか
ゲイさんにとってアニメはもはや必要ないものになったんだね
それまでのゲイさんはアニメを摂取することで何とか生き長らえてたけれど
視野の広がった今のゲイさんにとってアニメは絶対的な救済ではなくなった
それは勿論喜ぶべきなんだけれど同時に寂しさを隠すことが出来ない
つまりアニメを語りアニメに関する意見を主張することで存在感を発揮してきたのがゲイ迅というコテなわけで
そのアイデンティティが失われつつある今もうゲイ迅である必要もないということで
ゲイさんはもうゲイさんじゃないんだとこの界隈からの卒業の気配を感じ取ってしまう
おそらくゲイさんも潮時じゃないかと奥底では思っているんじゃないかな
それでもアニメによって培われた今の立場というものを鑑みるとやっぱりキッパリ決別するのも躊躇われるだろう
こうして日夜匿名の誰かがHNであっても自分の名前を呼んで何か気に掛けているというのは
普通に生きていればまずあり得ないことで、その点でも救われる部分はあるのだろう
そういえばゲイさんは最新の鬱放送でゲイスト殺しに来てくれと沈鬱な声で訴えていた
でも俺たちはゲイさんには心暖まる同僚がいることをもう知ってしまっているんだよ
同僚のおかげでゲイさんは人並みの存在に一歩一歩近付いていて、それをここで無碍にすることなんて出来ないよ