『鬼滅の刃』ノベライズの成功に見る、ジャンプ流メディアミックス 2019年末のベストセラーを考察

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 『鬼滅の刃』は2016年から「週刊少年ジャンプ」で連載開始。2019年4月から9月まで連続2クールで放映されたufotable制作によるTVアニメが非常に丁寧なつくりで話題を集め
、原作人気も爆発、マンガの類型発行部数は2019年11月末時点で2500万部を突破、同年12月4日発売の第18巻は初版100万部超え。オリコン年間コミックランキング2019では期間
内売上が1205.8万部で第1位となった。ノベライズも2019年2月時点で2巻合わせて70万部突破とレーベルであるJUMP j BOOKS史上最速の売れ行きを見せている。

 『片羽の蝶』は本編では描かれていない、鬼と呼ばれる敵を討つ“鬼滅隊”の幹部である「柱」たちを中心的に描いた短編集。『しあわせの花』に続き、原作コミックス巻末
のおまけ「中高一貫!!キメツ学園物語」(本編の舞台は大正時代だが現代の学園に各キャラがいたら……という内容のスピンオフ)を小説化したものも収録されている。

 人気マンガのノベライズなのだから売れて当然だろうと思う人もいるかもしれないが、そもそもいまどきアニメや映画、マンガのノベライズが数十万部も売れるという事態は
まれである。新海誠の『君の名は。』の小説版を監督自身が書いて100万部突破、といった例外的なものもあるにはあるが、JUMP j BOOKSほどコンスタントにマンガのノベライズ
でヒットを出しているレーベルはほかにない。