上等な葬儀用布団を引っぺがし死に装束に身を包んだ横になったキュルルの胸倉を掴んで引き起こす。

「お前のせいじゃ、全部!お前のせいじゃァ!」

そのまま軽い死骸を荷物のように担いで玄関に向かう、親戚一同吉崎観音の怒気に気圧され何もできない。
吉崎観音は玄関のドアを蹴り開けると、柔道の形車をキュルルの死骸にかけた。
亡くなったキュルルの死骸を持ち上げ、背中からコンクリートの道路に投げ飛ばしたのだ。

「見るなら見ろ!写真を撮りたいなら撮れ!ソイツとワシらはもう何の関係も無い!好きにせぇ!」

「死体も無縁仏で他所にやる!ワシらとは一切関係ない!その業人引き回すなり煮るなり焼くなり好きにせぇ!」

吉崎観音はそれだけ叫ぶと音を立てて扉を閉めて警察がやって来るまで家を出なかった。
スマホで撮られ動画に移されるキュルルの顔は泣きそうな苦しそうな表情を浮かべていた。