今から40年前、俺が男になったときの話をみんなに聞いてほしいんだ
舞台は尾頭橋 界隈には数軒のトルコ風呂があり小さいながらも盛り場を形成していた
当時高校生だった俺は友人のYとJの3人でその中の一番みすぼらしい店に入った
待合室にはくたびれた中年紳士が2人 
当時の俺はDTで、またYとJもDTで、同志であったはずの中年紳士の心情などおかまいなしにはしゃいでいた
やがてボーイが現れ紳士のうち1人を案内し、数分後にはもう1人の紳士もプレイルームへと消えた
彼らはとても静かで何の主張もなくそこにあるのは諦観とも言うべきものだった
しばらくしてYが呼ばれ、そしてJも出征
そしていよいよ俺が男になるときがきた