まず写真を焼くには、ネガキャリアに決してフィルムを入れないことだ。

ネガキャリアにはなにも無い状態で、イーゼルに8×10の印画紙を置き、
まず1秒露出する、
次に少し黒紙で印画紙を遮光してからもう1秒露出を足して合計で2秒露出する、
次にまた、少し黒紙で印画紙を遮光してもう1秒足して合計で3秒露出する、
同じようにもう1秒足して合計で4秒露出する…と段階露出したあと印画紙を現像する。


そこには白から黒までの、
だんだんの濃度があるグラデーションが印画紙上に出来上がることだろう。

そのグラデーションのなかで、
黒過ぎず、白すぎず、純粋な黒になったところは、何秒間露出したところだっただろうか?

F8に絞った状態で4,2秒とか、何秒とか、見つかることだろう。

それが印画紙の純粋な「黒」なのである。

階調を知るには、まずはじめに純粋な「黒」を焼くべきなのだ。