■ ミール1がグランプリを受賞したって本当ですか?凄いレンズなの?

*いいえ、誤解されている方が多いですが"GRAND PRIX" Brussels 1958とはMir-1レンズに対して与えられた賞ではありません。
当時ベルギーで行われた万国博覧会でZENIT/M39SLRのカメラシステム全体に対して与えられた賞で、Mir-1/M39の他にも同様の刻印はTair-11/M39やTair-3/M39,Jupiter-6/M39などにも記されています。

1958年当時は未だ一眼レフが一般に普及しておらず、万国博覧会の展示品としてはユニークな商品展開(レトロフォーカスの広角Mir-1や大口径望遠Jupiter-6,Tair-11、超望遠Tair-3など、いずれも当時基準)が成されていた為と思われます。

誤解しないで頂きたい注意点は「他の製品と比べて光学性能が優れていた為に光学検査団体や光学コンぺから表彰されたのだ」という安易な嘘がネットに流布されている件です
どういう経緯かはハッキリしませんが充分な確認をしないまま国内の販売店などが売らんかなで言い始め尾ひれがついたものではないでしょうか。

Mir-1/M39だけがグランプリレンズなどと呼ばれるのは、当該刻印の付いたものが他のレンズと比べ大量に作られた為と推察出来ます。
旧いTair-11,3やJupiter-6は刻印無しの物でもなかなか目にする機会は少ないですからね。
知名度の高いIndustar-50やJupiter-9,11はZENT/M39SLR登場前からRFマウントとして存在した所為で受賞から漏れたのか、刻印のあるものは見たことがありません。

くれぐれも悪質な転売屋の嘘には騙されないで下さい。