★中国が禁止してやったチベット土人の糞尿食文化★

出典:河口慧海『チベット旅行記』(1904年)の「第八十七回 奇怪なる妙薬」

その薬といえば一つ思い出しましたがチベットには 奇々妙々の薬 がある。
その薬の本来を知った者は恐らくチベット人を除く外誰も飲むことが出来ぬだろうと思います。
それはチベット法王あるいは第二の法王というような高等なるラマ達の大便は決して棄てない。
また小便も決して棄てない。大小便共に天下の大必要物である。
その大便は乾かしていろいろな薬の粉を混ぜて、そうして法王あるいは高等ラマの小便で
それを捏(こ)ねて丸薬に拵え、その上へ金箔(きんぱく)を塗るとかまた赤く塗るとかして
薬に用いますので、この薬にツァ・チェン・ノルプー(宝玉)という奇態な名を付けます。

それは決して売り出すのではない。なかなかそれを貰うことさえ容易に出来ません。
まずよい伝手(つて)がありお金を沢山上げてようやく貰いますので、貰ったところで
チベット人は非常な病気になったとかあるいは臨終の場合に其薬(それ)を一つ飲むのです。
それで快くなればその有難味が利いたといい、たといそれがために死んだところが、
チベット人は満足して「誠にありがたい事だ。ともかく宝玉を飲んで死んだからあの人も
定めて極楽に行かれるだろう」といって誉(ほま)れのように思って居ります。
実に奇々妙々の風俗で、チベット国民が実に汚穢(おわい)極まるということも、
こういう事によっても知り得ることが出来るのでありましょう。

しかしこういう材料で宝玉が出来て居るなどということは、一般人民はほとんど知らないので、
この薬は法王が秘密の法で拵えたごくありがたいものであるということを知って居るだけで、
その薬の真面目(しんめんもく)のいかんは法王の宮殿に出入する官吏あるいは官僧、
その外それらの人々から聞き伝えて、いわゆるチベットの事情に通じて居る人間が
知って居るというだけでございます。

おまけ:中国によって近代化された現在のチベットを見たインド人の反応
http://cruel.org/economist/tibet.html