焦点:色あせる中国「一帯一路」、国際金融の舞台で矢面に
https://jp.reuters.com/article/china-one-belt-imf-idJPKCN1MP0VS

インドネシア・バリ島で週末に開催された国際通貨基金(IMF)と世界銀行の
年次総会は、中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」への風当たりが
強くなっていることを印象付けた。

国際金融協会(IIF)の前会長、チャールズ・ダラーラ氏は総会で
「中国はある意味で(国際貿易)体制に便乗しているとの見方が西側で
広がっていると思う」と述べ、「1980年代の日本に対する西洋の見方を
思い起こさせる。そっくりだ」と続けた。

こうした見方はトランプ政権に限らない。ラガルドIMF専務理事もバリ島での
貿易会合で、知的財産保護や競争の確保、行き過ぎた市場支配的立場回避の
重要性を訴えた。中国を名指しはしなかったが、いずれもトランプ政権が
たびたび中国について指摘する課題だ。

総会では、中国が期待していたと見られる方向から議論が急転換したため、
中国高官らはより守勢に立たされたようだ。一帯一路に関する世銀の
パネル討論会では、この構想に加わった小国の債務の持続性や、
小国が中国との交渉力を欠いていることなどについて、中国高官らが
質問責めにされた。

ブルッキングス研究所のシニアフェロー、デービッド・ダラー氏はパネルで、
「一帯一路プロジェクトが極めて良いものだったとしても、低所得国にとっては
過剰な債務を抱える深刻なリスクがある」と指摘した。