世界レベルには程遠い 豊田真由子議員の罵詈雑言 - 加瀬英明のコラム
Date : 2017/08/09 (Wed)
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 私はテレビで豊田真由子衆議院議員が、運転中の秘書に対して、
 罵詈雑言をあらんかぎりの声で絶叫しているのを聴いて、「日本はよい国なのだ」と、安心した。

 きっと、読者の方々は意外だと思われることだろう。

 だが、私は日本の国民性がよく表れていると、思った。
 日本語の特徴と、日本の民族性が、中国、韓国、ヨーロッパの諸国民と異なっていることが、浮き彫りになっていた。

 豊田議員は言葉を盡して、自分よりも年長の男性秘書を罵倒しているのに、
 「このハゲ!」とか、「こいつ豊田真由子様へ向かって、ふざけやがって!」
 というように、相手を罵しる語彙(ごい)(言葉の表現)が、実に乏しい。

 中国や、韓国語になると、「お前の母親の××(女性性器)は腐っている!」とか、
 「犬の糞を食ったばかりの顔(つら)をしやがって!」とか、相手を罵しる言葉が、数百もある。

 これは、言語学で「罵倒語」(英語ではcurse words 呪いの言葉)と呼ばれるが、キリスト教の旧約聖書を読むと、
 「いったい、これが宗教書なのか」と疑わされるほど、罵倒語に溢れている。

 私はケネディ大統領が暗殺された直後に、当時のアメリカの流行伝記作家のウィリアム・マンチェスターが、
 『ある大統領の死』をアメリカの週刊誌に連載したのを、『週刊新潮』が版権を買った時に、訳者をつとめたことがあった。

 ところが、ケネディ大統領とジャクリーン夫人が会話のなかで、英語国民が気に入らないことに対していう、
 「シット!」(糞尿)とか、「ファック!」(性交のさま)とか、人を罵っていう
 「アスホール」(尻の穴)など罵倒語を連発するので、翻訳しようがなく、頭を抱えたことがあった。

 英語だけではない。フランス語、ドイツ語などのヨーロッパ諸語にも、数限りない罵倒語がある。荒々しい人たちなのだ。

 それに対して、日本語では罵倒語になると、「クソ!」とか、「アホ!」とか、貧弱である。
 おそらく7つか、8つぐらいしかないのではないか。