>>17
最初にディレクターズカットがあったんだけれど、「これでは長い」90分にしたいという要望でした。
そうすることで、1日の上映回数が増えるという話なんだけれど、結局、1日に来るお客さんの数は変わらないだろうし、
変わらないなら回数を増やしても意味がないから、その話にはリアリティがないなと思い、
詳しく聞いてみるとどうにも要領を得ない。それで、追求しないことにしました。
いろんな事情があるんでしょうから。
そうなると、ケンカしてやめるか、どうするかです。
でも、ケンカしてやめたところで、誰も喜ばない。監督はケンカして要求をはねのけて「圧力には屈しなかった」って言えるけれど、
それが偉いわけじゃない。周りのスタッフも役者も失望するし、
監督の名前が入っていない映画が公開されていいのかという話です。だから「2つ作りましょう」と提案しました。
すると、ディレクターズカットについて「これはこれでやります」と言ってくれたから、「裏切ったらただじゃおかないからね」と(笑)。
長い付き合いだからたぶん任せておけば大丈夫だろうと判断しました。「『いろいろな事情があってなしになりました』となったら承知しないからね」に対しても
「クビをかけても何とかします」ということだったから「じゃあ、好きにすれば」……というのが、私の知っている全て。
出した条件は、できあがっている「ディレクターズカット」はこれ以上いじらないこと、今年中に公開すること。
公開する劇場の数とか細かいことは言わないから、宣伝ももう1度やること。
「自分が作ったものがちゃんと世の中に出さえすればいいよ、あとはお客さんが決めるから」ということです。
ファンとしては怒ってもいいかもしれない。5月に公開されたものを見てくれた人の、
すべてとは言わないけれど、ほとんどの人はきっと見てくれるでしょう。
パトレイバーのファンは昔から義理堅いというか「自分たちが支えなければ後がない」という使命感があって、
だからこそ見に来てくれたし、熱心にモノも買ってくれた。


と、超ドヤ顔でスポンサーを言質でイジメ抜いたこと勝ち誇ってましたよ