大胆な傑作か、破格の珍作か 映画「ダンケルク」ーーシネマチャート
http://bunshun.jp/articles/-/3944
■〈解説〉
『インターステラー』のクリストファー・ノーラン監督が実話の映画化に初めて挑む。
時間軸の異なる陸・海・空の出来事が、同時進行するタイムサスペンス。106分。

中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆戦闘機の攻撃場面はさすがに見ものだが、人間ドラマの迫力は稀薄。大スター達も制帽制服で顔の識別がしづらいのが難。

芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆大きな話をマイナーポエットの眼で撮った冒険作。3幕物の第3幕だけを選択し、少ない台詞で空間の細部を体感させる。

斎藤綾子(作家)
★★★★★陸海空での命がけの出来事を、時間を組み換え描く演出は見事。逃げ惑う兵士たちの姿に震え上がった。大画面で必見。

森直人(映画評論家)
★★★★☆大胆な傑作か、破格の珍作か。掟破りの時間・空間操作。設計ミスかと見紛う形で均衡を保つ異様な建築物のごとき衝撃。

洞口依子(女優)
★★★★☆『空軍大戦略』の前日譚を思わせ巨大銀幕でスピットファイア機の空中戦を再び拝みたくなる。時系列はノーラン節炸裂。