映画がもうひとつの理由は色々言われてるけど
大きいのは原作の連載1話完結のペースと長編映画がミスマッチなこと
映画は映画として起承転結をつける必要があるのとトータルとして時間が短くなるので
原作の淡々としたリズムが出せていない
おそらくテレビアニメにした方が良かったと言われる
そうした方が原爆投下に向けてのカウントダウンもより切実なものとなる

声優ののん起用がやはりミスマッチなこと
のんさんの強い個性と現実で進行中の劇的な人生がどうしても入り込んできてしまう
個性や劇的というのは原作のすずさんとは真逆の要素

コトリンゴの歌がミスマッチなこと
冒頭から悲しくて〜というのは原作の意図とは全く違う
ある種の泣かせるため映画にしてしまっている

原作は戦争物語にありがちな泣かせる、酔わせるということと距離を置いたことで
新鮮な感動を呼んだことが最大の成功要因であった
映画はそのように作られなかった

その他監督の思い入れた要素は原作の良さを引き出す方向には働いていない
つまるところ監督自身がこの作品に酔ってしまったことがうまくいかなかった原因ではないかと
佐藤健志氏などは分析している