これが運命に関する映画というのは間違っている

映画の中盤が丸々ただの旅行記にあてられているのは、「その瞬間」は前触れもなくやってくることを強調するため
前半の成長話も彼らが何を積み重ねてきたを示すためのものであり、純粋な映画的伏線を意図したものでないのは、必要なシーンだけで構成されていることからも分かる

この映画は必要な時に咄嗟に持っていたものを発揮した勇気を讃えるものであって、決して物語の面白さを伝えたいわけではない

理由→行動→結果が上手く組み上げられた、いわゆるよくできた映画が好きな人間には受け入れられないのは当然
内容的にも表現的にも「でも現実ってこうじゃないか?」というイーストウッドのスタンスの極地みたいな作品