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ほいから、わら朝敵じゃのう。
[周知の通り、今上天皇は平和と反戦の思いをもつ“護憲の天皇”。日本を戦争へと
引きずりこむ安倍政権の改憲に対して、強い危機感を抱いているからだ。
もともと即位後の朝見の儀でも「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って
責務を果たすことを誓い」と表明したように、今上天皇は以前から日本国憲法を
遵守する考えを強調してきたが、第二次安倍政権以降はより強まって、
美智子皇后とともに、これまでになく踏み込んだ発言・行動を起こすようになった。
まず、第二次安倍政権が誕生した翌年2013年の10月には、美智子皇后が誕生日に
際した文書コメントで明確にした。美智子皇后は、一年で印象に残った出来事を
「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が
取り交わされていたように感じます」としたうえで、以前、あきる野市五日市の
郷土館で「五日市憲法草案」を見たときの思い出をこのように語った。
「明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が、
寄り合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、基本的人権の尊重や教育の
自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の
自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています。
当時これに類する民間の憲法草案が、日本各地の少なくとも40数か所で作られて
いたと聞きましたが、近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や、
自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た
19世紀末の日本で、市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして、
世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います」(理手羅)