「運命は踊る」
原題(フォックストロット)は映画の展開を暗示するものでもあるのだけど、
それを守備隊の名前にまで使うのはちょっと強引かなという気もした。
前作の「レバノン」もそうだったが、この監督はやや煽情的な演出を好むのかな。
両親が息子の残したイラストが息子が経験したどんな出来事にかかわるものなのか
知らないまま、その意味を自分たちに引き付けて語り合う姿が悲しい。

「テルマ」
モンスター少女の覚醒物語は「キャリー」にしろ「キャットピープル」にしろ悲惨なラストを
迎えることで教訓話としてのおとぎ話の構造を保っていたものだったけど、
「獣は月夜に夢を見る」といい、「RAW]といい、これといい、近頃は束縛から解き放たれて
ある種ハッピーエンドを迎えたりすることも多いな。女性監督だったらフェミニズム的な
解釈をすればいいかもしれないが、男性監督だと女はバケモノだから油断するなみたい
にも受け取れて、はてさて。

「ブレインゲーム」
単にサイキックどうしの対決というのではなくて、主人公がちょっとメンタルの
危ない人だったりするところがアメドラよりも「沙粧妙子 - 最後の事件」とか
「ケイゾク」とかのちょっと昔の日本のテレビドラマみたいだった。
サイコメトリーに予知能力とちょっとスペック高すぎで逆にドラマの香が削がれた。