>>505
これは古典作品で死ぬ脚本は変えられないし
作られた当時は戦争が身近だった時代
死んだ方が衝撃的だし、お国のために死ぬのが美談な時代

一番悩んだのはどうやったらこの自殺が現代の人がみて納得できるか?でしょう
設定つけまくって「死が必然であった」とするしかないわけね

まず母親がお産で死んだって設定
父と兄を苦しめたし父のアル中の原因でもありえたでしょう
よく映画であるのは、産まれて来なければよかった存在であるという使われ方

さらに父の設定
酒飲みだけど指先から全身までアーティストだった父
知っている愛情は父から受けたものしかないから、どんなクズであれそれを否定されることは許せないのね
そんな父を喪失して自殺を図った過去ね
愛情に飢えた時、自然と父を思い出し酒飲むしかなくなるのね
アル中になぜなるかも丁寧に設定してる

街一番のギタリストで年の離れた兄も、子供の頃はめちゃくちゃかっこよくて憧れたんだよね
父がいなくなり家族は兄しかいないわけだ、同じことやるしかないよね
黒人のもう一人の父も音楽家だったね

このように「音楽しかない男」なのよ、そんな彼が耳を失うってことはつまり死ぬってことだよね
そしてその暗示を中盤からもう入れてるのね
さらにだからといって耳の延命しないのね
つまり死にかられてるって暗示なんだよね

さらに音楽はアリーとの繋がりだったわけ
音楽で対話できて分かり合えた二人なのね、音楽で愛しあえたのね、そこがジャックにとって特別だったわけ
アリーが作りジャックが完成させたシャロウは
ジャックがまず歌いアリーがステージに上がり一緒に歌う
ジャックが作りアリーが完成させた曲は
ジャックが死んでるからアリーひとりで歌うと思わせておいての
ジャックパート挿入
二人の音楽での対話をこうやって表現したってハンパないよね
耳を失うことで、アリーとの特別な繋がりがなくなるわけ、ジャックにとっては喪失なのね
初めて知った真の愛(母性=アリー)を喪失した時、13歳の時に唯一の愛(父性=父)を喪失した時と同じように自殺してしまうんだよね