今年のワースト候補を「サムライマラソン」と競いそうです。

学生時代に麻雀にハマりまくって毎夜徹マンをしてバイト代が入ったら繁華街のフリー雀荘で打ちまくっていた僕にとって阿佐田哲也の「麻雀放浪記」はバイブルですので面倒くさい原作厨の意見です。

昔マガジンでやっていたバトル展開的にアレンジした漫画版にも若干の拒否反応がありましたが色川武大作品のオールスター感があって結構面白かった記憶があります。

だから今作の様な面白くもない中途半端なおふざけはやめて欲しかった。

青春映画として優れていた1984年版に比べるべくもないのは仕方ないとしても原作にリスペクトを持って映画化するかふざけるにしても全力で振り切って欲しかった。

真田広之、鹿賀丈史、高品格、加賀まりこに斎藤工、的場浩司、小松政夫、ベッキーで対抗するのに無理があるのはわかります。

戦後復興期から2020年からタイムスリップする事によって時代や状況を重ね合わせたり比較したりするでもなく坊や哲が現代に対して物申す訳でもなく・・・

さらに肝心の麻雀部分でも首を傾げる描写ばかりです。
通しも決めていないのにニュータイプの様に会話して2の2の天和を決めたり地和国士無双はダブル役満なのに緑一色四暗刻はシングルだったり、サイコロの2度ぶりや自動雀卓のスペアは調達できないのに手積みの麻雀卓はあるのかなど細かいツッコミ所が満載です。

もちろんそんな所にツッコムのは野暮だしそういう映画ではないと制作者は言いたいかも知れませんが、細かい所に全く気の行き届いていないコメディなのは事実です。

タイムスリップしてからは好き放題やってもいいのですが原作ファンとして1番許せないのは過去の坊や哲、ドサ健、出目徳、女衒の達の対戦を改変しているところです。

若い子向けにはチンチロリンのルールを説明した方がいいのではと思いました。

ベッキーを想定した謝罪会見云々の展開が皮肉にもタイムリーなネタになっていました。