スティーヴンキングの作品を思いきり自分のヴィジョンに置き換えちゃったキューブリック版には、かなり確定的な解釈があって、そこがメタメタにされてるのが堪え難かったわ。

キューブリック版で何が怖いのかと言えば、ジャックでもなければバスタブ老婆でも惨殺双子でもなく、それらの惨劇を呼び起こした「巨大な怨念」なのよ。
それは、白人がインディアンを殺戮して、彼らの聖地である長年の墓地ぶっ潰して建てたルックアップホテルを呪うインディアンの霊であることが、映画のそこここで暗示されてる。
(エレベーターホールに溢れる血の海は、ホテル創立前に虐殺されたインディアン達の暗示)

ジャックも、その前に双子姉妹を殺した父親も、ホテル創立当初の1920年に支配人やらウェイターやらだった人間の生まれ代りで、日本風に言えば「末代まで祟られて」、
生まれ変わってはホテルに吸い寄せられ、自分の家族を惨殺して自殺するように仕向けられているわけよ。

だから、ジャックが死んで、ダニーとおかんは逃げ果せたけど、巨大な怨念はそのままだし、ジャックの生まれ変わりの連鎖は終わらないという、後味の悪い不気味さは消えない。


そんなもん全部無視して、怨念の犠牲者である幽霊たちが、ヴァンパイア仲間と同類でケムリ吸いだす設定とか、ナメてんのかコラつー。
しかも踊り場に全員集合とか、ギャグにしてもアホすぎる。

なかったことにするわ。