この映画を観た後、TVドラマの「グランメゾン東京」を観た。分野は違うけど同じ才能の
世界を扱う物語のどちらにワクワクしたかといえば、初回放送で最終回をネタバレして
るような後者のドラマ。パリの2つ星レストランを担う天才シェフがある事故でその座を
追われ、流浪中に中年の日本人女性シェフと出会い、ミシュランの星付きレストランを
開きたいという彼女の夢を実現させるため高感度の才能を揮う過去、現在、未来のエ
ピソードがかなり緻密に作り込まれている。一方、映画のほうは栄伝、マサル、塵とい
う天賦の才能をもつ若きピアニストが登場しながら、それぞれの美意識や感性の依っ
て来たる描き方がスカスカで、コンペティションを決する緊迫感に乏しかった。全くの私
的感想で悪しからず