原作もドラマも見ていないで、たまたまやっていたので、見ただけど、なかなかよかった。

　主人公も副主人公もよかったし、脇役の演技もよかった。

　ただ、角川春樹の最後の映画ということで角川オールキャストということだと後から知ったけど、それって、必要だったの？
　常連の妻役として来店したという設定で薬師丸とか出ていたけど、その存在感で重要な役どころで、後からそれなりの役どころを果たすのかなと思ったら、何にもなかった。角川への付き合いでネームバリューだけで出演したのかな。
　角川春樹って、ぼんぼんの道楽で映画作っているだけという感じだったけど、最後までそんな雰囲気を残しちゃったかなという感じがした。

　ところで、太夫と言えども、吉原にいて、そこで稼いでいるのだから、客を取っているのだろうし、存在自体がわからないという設定きわからなかった。客は太夫を見たことがあるのだから、存在しているかわからないなんてありえないだろうし。
　だいたい江戸を代表する戯作者、滝沢曲亭馬琴が太夫を描けば、宣伝になるだろうし、悪く書かれるという確証がなければ、なんであれほど書かれないようにしたいのか、わからない。原作やドラマでは語られているの？

　原作にあるのかどうかと言えば、職人には塩味が薄いとかいうのは、ありがちだな。美味しんぼとかでもあったような。
　僕的には庖丁人味へいが初見だけど。

　侍との結婚をあきらめたということで盛り上がって終わりというラストだったけど、もともとその可能性はあったのと思った。
　それなりの大料理屋が頭が上がらない侍といったら、それなりの旗本、小大名クラスかな。江戸に流れ着いただけの町民と、江戸時代の身分制度的にはあり得ないと思った。見合い相手と結婚した上での側室というかお目かけとしてなら十分ありなんだろうけど。