押井守監督インタビュー掲載/押井守が追求した「情報量」と「臨場感」 ―『攻殻機動隊』映像化の先駆者が目指したもの―
https://theghostintheshell.jp/news/mamoru-oshii-interview
制作エピソードはこれまでにもさんざん語ってるからあんまり新味はないが、最後の方の対人評価の部分は興味深い

——『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『イノセンス』を制作する過程で原作者の士郎正宗さんから意見をもらうことはありましたか?
押井守(以下:押井) 基本的には何もなかったです。映画を作る前に会いに行ったときも、「好きにやってください」と言ってもらったくらいで、内容に関する具体的な要求はなかったですね。士郎さんは表に出たがるタイプではないと思うし、これまで僕も本当に少ししか喋ったことがないんですよ。

——このメディアで士郎さんにインタビューをした際に、数ある『攻殻機動隊』のアニメ作品のなかでいちばん見たのは『イノセンス』であると語っていました。これまでご本人から直接感想を聞く機会はありましたか?
押井 こちらから感想を聞いたこともないし、人づてに感想を聞いたこともないですね。僕もこれまで十数人の漫画家とつき合ってきて、文句を言われたこともあるし、喧嘩をしたこともあるけれど、士郎さんほど徹底して外部と距離を取っている人はいないですよ。
ただ、もし『イノセンス』を気に入っているのだとしたら、理由はなんとなくわかる気がします。たぶん、一番原作の雰囲気や色合いが残っている作品だからなのではないかと。

押井 素子役の田中敦子に関しては、声優に詳しい関係者にオススメされて初めて知ったんですよ。まだキャリアが浅い時期で、実績が豊富だったわけじゃないから、僕の記憶では博打を打つような人選だったと思うな。

押井 アニメーターとしての沖浦は心から評価するけど、人としてはノーコメント。顔を見ると喧嘩しちゃうから、お互いに顔の記憶を抹消しているの(笑)。だから廊下で会っても気づかないと思う。