この頃のトコさんは、42,3。目つきは日本刀のような鋭さで、頭はチョンマゲスタイル、
侍みたいですっげえ怖かったのを覚えてる。
まったく相手にしてもらえない日々がつづいたが、粘りつづけてなんとかボーヤになることができた!
トコさんは俺のことを「YOU」と呼んでいた。
初めて「イノウエ」って名前で呼んでくれるまでには、なんと2年もかかった。
その時は、嬉しかったなぁ・・・・。
ボーヤの毎日はとにかく刺激的だった。
生きるためのアルバイト以外の大半の時間をalfieで過ごし、その日の演奏の話や、
音楽の話を兄弟子の「藤山英一郎」らと朝まで話し合ったり、怒られたり、
怒られたり怒られたり・・・・・の日々。そして、たま〜に褒められたり。
その後「西尾健一(tp)」の誘いで、新宿西口でストリート演奏を始めた。
これまた相当に刺激的だった。おもろい話は数限りない。
ボーヤ時代の感激した想い出といえば、
トコさんのレコーディングで初めてN.Y.に連れ行ってもらったときのこと。
Steve Swallow(b) Dave liebman(ts) John Scofield(g) Mike Stern(g)らの演奏を間近で聞いた時だ。
この時の身震いするような感動は今でも忘れられない。
アルバムタイトルは「Sailing Stone」「It’s there」の2枚は、超名盤。
俺の想い出もたっぷりつまっている。
大笑いあり大涙ありのボーヤ時代の想い出はつきない。
(いつかBlogにつづっていけるか(笑)・・・・。)
なんのかんので上京から4年、23歳で念願のプロ活動をスタートしたのだ。

原文ママ
Copyright 井上功一