>>594
ブルックナーの0番以降の交響曲すべてには
交響曲の構成法や細部の組み立て方などに
ベートーヴェンの第9の影響が色濃く見えることは
多くの人が指摘しているとおりだ。

第5は、そういったことに加えて、ご指摘の
フィナーレ序奏における前楽章の回想とともに
調性の転回引用が見られるということだ。

第5が採った変ロ長調とは、第9のアダージョの調である。
第5のアダージョのニ短調とは、第9の調である。
この調の逆転現象は第9を意識したものとしか
言いようがない。