1992年、サントリーホール出演予定のオーギュスタン・デュメイから開演数時間前に病気キャンセルが入ったことがあってな。
ホール支配人は真っ青になりながらも、ちょうどリハーサルに来ていた竹澤恭子に代演を頼み込んだ。
曲はメンコンだ。
「20分、時間をいただけますか」。
指ならしを試みた彼女は感触を掴んで依頼を快諾、敢えてリハーサルを避け、
ぶっつけ本番で大成功を収めた。
プロはメンコンくらいはいつでも弾けるようにしとくのが当たり前ってことなんだろうな。