時は流れて2009年、長崎県の軍艦島が世界遺産の候補としてリストアップされた。軍艦島は海底炭鉱の基地で、戦前、戦後と良質の石炭を出し、
日本の産業の発展に寄与した。今、当時の面影を残したまま朽ち果てた巨大な建物群は、遺跡のようで興味深い。
ただ、それを聞いた韓国がすぐに、朝鮮人が強制労働をさせられた「地獄島」が世界遺産とはけしからんと、世界中で反対運動を始めた。
「朝鮮人労働者が、強制的に移住させられ、自由も賃金もなく、日本人が行わない過酷な労働に従事させられ、虐殺された」という主張だが、
彼らが証拠として使っている写真に写っているのは、どれも日本人鉱員だった。そのうえ、海底深くでの採掘には高度な技術が必要なので、
肝心の危険な仕事は日本人技術者がやっていたという。
ところが、韓国の訴えを真に受けた南ドイツ新聞は、それをそのまま書いた(2015年7月)。それに対し、旧島民やその子孫で作った「真実の
歴史を追求する端島島民の会」が抗議したが、返ってきた答えは、「記事をチェックしたが、訂正はしないと決めました」。
検証も訂正もしないというのは、報道機関としては失格ではないか。
南ドイツ新聞の特派員は、日本人はドイツ語の新聞など読まないと思っているのかもしれないが、在独の日本人で不愉快に思っているのは私だけではない。
もっとも、自分は南ドイツ新聞を読んでいるドイツのエリートの仲間であると自負している反日日本人もいるかもしれないが…。