>>60(続き)
モーツァルトの交響曲の中から一曲選べ、と言われたら、私は迷うことなく【25番ト短調K.183】を選ぶだろう。
この曲の魅力を楽譜(ピアノ編曲版)を見ながら書いてみる。順に
1. 53小節の♭が付く第1音にまず心を鷲づかみにされ
2. 87小節から展開部が開始され、87小節〜96小節に心が揺らぎ
3. 117小節の再現部開始直前の109〜116小節で完全に魅了される。
4. 109小節の♭の付く第1音で1. の再来を経験し
5. 188小節〜191小節の美にため息、をつく。
6. 然し、順序は戻るが、この曲に私が抱く最高の美は
【145小節〜152小節】
であることは、この曲を初めて聞いた10代の頃から私の美意識は変化してない。

3〜4楽章で、あれだけ優れている映画をしているにもかかわらず、「59小節〜62小節」「177小節〜180小節」の装飾音の処理法が陳腐で緊張の糸がぶった切られるクレンペラー盤/ブリテン盤が残念でならない。
この装飾音を緊張の糸を切らすこと無く処理しているのが
1. AmadeuS SoundTrack盤SACD
2. ワルター&ウィーンフィルハーモニーmonaural盤
3. ワルター&ニューヨークフィルハーモニーmonaural盤

【AmadeuS SoundTrack盤SACD】が登場してくれたお陰で、私の理想のK.183を堪能出来るようになった。

現在の私のピアノ演奏の課題曲は、この「K.183 1楽章」。
SK7が奏でるK.183に酔う今日この頃。