再びびわ湖のワルキューレについて書かせてもらう。おとといは第1・2幕、昨日は2・3幕を
聞いたが、歌手にバラつきがあったものの全体として世界でもトップレベルの上演ではないかなあ
と思った。沼尻の指揮は速めのテンポだと思ったが、それでもトータルで5時間を超す上演だった。
会場には大物音楽評論家T氏の姿も。ヴォ―タンのリンやブリュンヒルデのミュラーに比べると
日本人の歌手は声量の点でどうしても見劣りがするのは致しかたのないところ。でもオケはすごく、
ワルキューレの騎行は生で聴いたテンシュテット指揮ロンドンフィル(DVDでも出ているサントリー
ホールでの演奏)にいささかも劣っていないなあと思った。これに限らず、今回の京響をきいて、
日本のオケでも訓練次第ではヨーロッパのオケと同等かあるいはそれを凌ぐ水準の演奏が
できるんだと再認識した。終演後の喝采はすごく、聴衆は口々に今日の公演は 世界のどこに
出しても恥ずかしくない最高レベルの公演だと興奮していた。